アドバンス通信 on WEB

ソーラーオーナーズ
インタビュー

村沢義久の
ソーラービジネス
最前線

開発現場から
とっておきの話

こだわりメンテナンス

小水力発電開発日記

村沢義久のソーラービジネス最前線 Vol.8 元東京大学特任教授 コンサルタントや、金融での経験を元に、化石燃料に頼らない「燃やさない文明」を提唱。電気自動車の普及と太陽光発電を中心とした低炭素社会の実現に注力。

太陽光発電のエキスパートとして、様々な事業者へのコンサルティングも手がける村沢氏による、"旬な話題"。今回は、「固定価格買取制度の法改正」について。

日本のエネルギーは太陽光が中心にコスト削減を怠らない強者が生き残る

認定取得済案件でも未稼働ならば見直し対象に

今年FIT法が改正され、来年4月1日に施行される見通しだ。ターゲットは太陽光発電で、長期未稼働案件の発生を防ぐための新認定制度や、買取価格決定への入札方式の導入などが柱だ。なかでも、未稼働案件対策は、多くの業者に影響がありそうだ。

そのポイントは、稼働可能な案件に絞って認定を行うことと、意図的に稼働遅延を図る業者を排除すること。そのため改正FIT法では、(1)電力会社との系統接続の契約、用地の手当て、工事計画などを確認の上でFIT認定を行う、(2)認定後、各種手続きや工事着手に一定の期限を設け、遅延を発生させない対策を講じる、(3)買取価格は新たな認定時の価格を適用する、ということになる。

改正の方向は理解できるが、気になるのは、すでに認定取得済みの案件はどうなるのか、ということ。この点については、原則として、2017年4月1日までに電力会社と接続契約を締結していない場合、現在の認定が失効する。ただし、猶予期間が設けられ、その期間内に接続契約を締結すれば、現在の認定が有効となる。

一部では既に認定取り消しも低圧案件への対応は不明

未稼働案件の認定取り消しは、2013年の9月から始まっている。2012年度中に認定を受けた400kW以上の太陽光発電設備(買取価格40円)を対象に報告徴収を実施し、建設場所や設備の確定ができない案件について認定の取り消しが行われた。2014年度にも、2013年度に認定を受けた400kW以上の未稼働太陽光発電設備(同36円)について、報告徴収と段階的な認定の取り消しが行われ、併せて50kW以上の太陽光発電設備に対し失効期限が設定された。

現在のところ、50kW未満の低圧案件には失効期限がなく、未稼働設備に対する聴聞も行われていない。しかし、合計400kW以上になる分割案件に対しては、すでに報告徴収が始まっており、今後聴聞が実施され、2017年頃から実際に取り消しが進むと考えられる。合計400kW未満の分割案件、あるいは、単独での低圧案件がどうなるかについては、現時点では不明だ。

新制度でチャンス到来太陽光はこれからが勝負

高浜原発が大津地裁の仮処分で止まったことを見ても、原発の再稼動は限定的だろう。また、温暖化防止の観点から火力発電にも逆風が強まる。となれば、再エネしかなく、日本ではその中心は太陽光。私は、2030年までに累計100GW(1億kW)の太陽光発電の導入を提言している。

FIT改正は、未稼働案件を抱える事業者にとってはピンチだが、プラス面にも目を向けるべきだ。来年4月の新制度への移行を前に、手持ちの未稼働案件が大量に転売に出される可能性があるので、着実に稼働させている業者にとってはチャンスになる。

2016年度には事業用太陽光発電の買取価格は24円になったが、政府は2019年までには18円まで下げるという。これに対抗するためには、不断のコスト削減しかない。

私が重視しているのがパワコン対策。特に、ファーウェイ(中国)やデルタ電子(台湾)によるパワコンの価格破壊に期待している。あるEPCが実際に受けた見積もりでは、10kW換算で、日本のA社が35万円、ヨーロッパ系のB社が31万円、中国のC社が15万円、同じく中国のD社が13万円だった。また、技術的に重要なのは、小型分散パワコンによる総合的なコスト削減で、最近では特高案件にも広がっている。 今後は、メーカーも事業者も大規模な淘汰に晒される。パネルもパワコンも外国製では意味がない、という声もあるようだが、そんなことにかまっている暇はない。高い目標を達成するためには、安くて良いものを使うのが常道。強い者が生き残る。勝負はこれからだ。