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村沢義久のソーラービジネス最前線 Vol.2 元東京大学特任教授 コンサルタントや、金融での経験を元に、化石燃料に頼らない「燃やさない文明」を提唱。電気自動車の普及と太陽光発電を中心とした低炭素社会の実現に注力。

太陽光発電のエキスパートとして、さまざまな事業者へのコンサルタントも手がける村沢氏により、"旬な話題"。今回は、「グリーン投資減税」の制度延長などについて。

買取価格引き下げ

太陽光発電を健全に普及させるために、固定価格買取制度(FIT)における買取価格は、長期的には25円くらいまで下げなきゃいけませんね。20円を切っているドイツの例を考えれば、今の段階で日本の価格は高すぎるということをまず理解するべきです。

今後の予測としては、2015年に30円程度まで買取価格を下げるという話もありますが、2014年度の終わりまでがプレミア期間である、ということを思い出せば、期間終了後の2015年度に30円を切っても一応想定内です。ただ、あまり急激に下がると現場が混乱します。プレミア期間にあまり拘らずに、落とし方をなだらかにさせる手があるかもしれません。2015年に30円程度まで下がれば、そこでプレイヤーも選別されるでしょう。つまり、価格の低下以上のペースで低コスト化が実現できる所が生き残り、それ以外は淘汰されると考えています。

例えば、私がアドバイスをしている、千葉県船橋市の株式会社フジワラなどでは、FIT 25円くらいまでは対応の目処を立てています。コストリーダーというのは、先々の急激な買取価格の低下に対して、FITの導入の時からちゃんと備えているのです。

現在の買取価格は、高い価格を頂戴した上で、普及に努めさせて頂いている、という認識を持たないといけません。あまり実力のない会社の場合は、高いコストに甘やかされてこの低下に付いていけないようなことを言っているのが現状です。優秀な業者であれば、買取価格が下がると有象無象の業者がいなくなるので、かえって自分達のビジネスは伸びるはずだと見ています。私は、それは大正解だと思います。

25円になれば、家庭用の電力料金に対してグリッドパリティを実現しますね。そうすると、家庭用電気料金への付加金はゼロにできるわけです。細かく言えば、電力会社側の経費分が残りますが金額的には小さなものです。そこからが太陽光発電の本格普及のチャンスです。

グリーン投資減税制度延長でさらなるチャンスも

それともうひとつ、現場での感覚からするとFIT以上に重要なのが、グリーン税制。2013年に終わることになっていたグリーン税制の一括償却制度が、2年延長されました。今、「利回りについてはマイナスでなければいいから、節税のためにどんどん投資案件を持ってきてください」という方がたくさんいます。より短期でキャッシュが戻ってくるという観点からもグリーン税制は重要です。例えば株式会社アドバンスがやっている分譲ソーラー。2800万円が今の標準の値段ですが、このうち2000万程度が償却対象額です。これを17年間かけて償却するのではなく一括償却するんですね。それによって、個人の場合は累進課税ですから、高収入の人ほど、大きく戻って来ます。ローンを借りた人でも頭金の大部分が戻ってくることもあります。さらに数年間、グリーン税制、一括償却制度を延長してもらえませんか、というのが私のリクエストです。

実は、私の先輩にアドバンスの分譲ソーラーをご案内したんです。その方は、年間に国税だけで400万円、地方税で200万円くらい、全部で約600万円程度の税金を持っていかれる。するとこのグリーン投資減税を活用することで、2800万円の物件であっても、実質2200万円になるんですね。2800万で頭金800万で出された方は、そのうち600万まで戻ってくることになりますので、これは非常に魅力的です。やってない方からすると、
「ちょっと太陽光だけ甘やかせ過ぎだ」とか、「不公平じゃないか」という考えもあると思うんですが、この一括償却制度、優遇制度というのは、そもそも投資を喚起するもので、太陽光以外にもいろんないろんな産業で施行されています。

例えばリチウム電池なんかについても国の補助金がありますね。東京都などは、リチウムに限らず中小企業用の定置型バッテリーについて、かなり大きな補助金も出している。ですから、特段不公平とも言えないと思います。また、節税でキャッシュを手に入れて、それをまた設備投資にまわせば、経済の活性化にもつながりますので。そうした意味でも、FIT(による買取価格)は下がって結構だが、グリーン税制は是非とも延長を望む、ということです。

太陽光はローリスクの投資

ところで、太陽光発電に対する投資家の立場は今、二極化しています。私のように「現状でこれほど良い投資は無い」と思っている人と、「あてにならない、怖い」という人です。ネガティブに見る人は、「お天気任せで、こんなに怖いものはない」と考えているんですね。確かに、一ヶ月先の天気は分からない。しかし、一年間の日照時間となると、これは高い精度で予測可能なのです。株式投資だと、倍になる可能性もあれば、半分になる可能性もあるのでハイリスク・ハイリターンです。対する太陽光発電は、国債に次ぐくらい安定した、ローリスクの投資なんです。利回りも、実際に運用してみると、ミニソーラーでも8%、メガソーラーなら10%を超えることが多いんですよ。