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小水力発電開発日記

村沢義久のソーラービジネス最前線 Vol.1 元東京大学特任教授 コンサルタントや、金融での経験を元に、化石燃料に頼らない「燃やさない文明」を提唱。電気自動車の普及と太陽光発電を中心とした低炭素社会の実現に注力。

話題沸騰の「分譲ソーラー」のメリットとは?

今、50kW未満の分譲ソーラーが投資案件として人気です(実は、私も個人的に購入させていただきました)。

購入するとなると、まず設備コストが1700万~2000万円程度、さらにメンテナンス代と土地代がかかります。だから総額でおおよそ2800万円ぐらいの物が多いようです。仮に2000万円をローンにして800万円を頭金とすると、金利は2・3%〜2・5%。大企業なら、1%以下で借りられるところもあるようですが、仮に2・数%で計算すると、年間の元利合計の支払いが160万円ぐらい。しかしソーラーはローンの支払いが負担にならない。なぜなら売電金額がローンの支払いを上回っているからです。同じような投資案件でも、賃貸マンションだと、あまりいいリターンになりません。しかも空室になるとしばらく収入がない。ところが分譲ソーラーの場合は、空室ということがない。あるとすれば、故障して修理している短期間だけ。収益性の計算においても、2800万分のいくつではなく、頭金800万分のいくつという計算になる。いわゆる「レバレッジ(※他人資本を使うことで、自己資本に対する利益率を高めること)」ですね。借入金を使うことによって、初期投資の額に比べてリターン(利回り)を良くすることができます。さらに、頭金も、グリーン投資減税による税金の還付が得られる人にとっては割と早く戻ってきます。

ローンについて付言すれば、このような案件では、先々の売電収入を担保に借りているわけですから、欧米であれば、「プロジェクトファイナンス」ということになり、借りる人がどんな人であろうと関係なく貸してくれます。しかし日本の銀行には、まだそれができないんですね。

また2800万円の投資について、利回りを計算して大したことないと言っている人もいる。でもそうではなくて、レバレッジ投資の観点からすると、分母を800万円の投資として計算するべきです。その代わり、ローンの支払いがあるから分子も小さくなる。売電収入が年額200万円強あったとしても160万円という元利合計を支払います。そこに、グリーン投資減税によって頭金800万円の一部が戻ってくるというのが大事な所。従って、課税所得の高い人や企業なら、非常に小さな初期投資、時にはゼロ円投資で、太陽光発電システムを取得することができます。だから、実際の利回りはかなり大きくなります。

ソーラバブルを、どう乗り切るか?

私の構想では、太陽光発電は、2030年までは毎年500万kW以上のペースで増え続けると思っています。買い取り価格が下がっても、コストを下げることによって、適正な利回りでやっていける自信もあります。

ただし、買い取り価格の「プレミア」期間と即時一括償却制度が2015年3月に同時に終わってしまうので、最近良く耳にする"ソーラーバブル"がはじけてしまう可能性はありますね。(※編注/グリーン投資減税の適用期間は、平成27年3月31日まで)

言わば「ダブルパンチ」ですから、ちょっと痛いです。そこで、どちらか一方でも延長するよう、働きかけたいと思っています。投資家の立場からすれば、グリーン投資減税の終了の方が影響が大きいかもしれません。それが、あと1年半で終わってしまうとなると、節税目的で太陽光発電をやっている投資家の意欲は激減するはずです。ただ、グリーン投資減税が終わっても17年間は原価償却できます(※編注/太陽光発電設備の法定耐用年数=減価償却の対象となる資産としての利用可能な年数は17年とされている)。ご存知の通り、この原価償却には2種類あって、定額と定率から選べます。仮に償却対象金額(設備コスト)が1700万円の物件なら、定額の場合100万ずつ17年かかって償却しますが、定率を選べばはじめの償却額が大きく、年を追う毎に少なくなって行くことから、節税商品としての魅力をある程度は残すことができます。

このことをみても、ソーラー発電事業で成功するには、財務と税務の知識が、ますます不可欠になって来ているといえます。