開発現場から とっておきの話

ソーラーオーナーズ
インタビュー

村沢義久の
ソーラービジネス
最前線

開発現場から
とっておきの話

こだわりメンテナンス

小水力発電開発日記

開発現場からとっておきの話 Vol.10 テーマ 番外編 太陽光発電所×最適積載

パネル積載率を高めて年間通じ発電量を最大化

今回は、太陽光発電所の収益率をアップさせる新しい試み「最適積載方式」について報告します。最適積載方式とは、パワーコンディショナの合計出力(設備容量)を上回る出力の太陽光パネルを設置して、発電量の最大化を実現する方式です。

世間では、FIT価格が下がって、太陽光で利益を得るのは難しくなったと考えている人も多いようですが、アドバンスはまったく違います。この最適積載方式を導入することにより、FIT価格が下がっても、これまで以上の高収益率を可能にしているのです。

これまで日本国内の太陽光発電所では、パワコンの出力と同等か、あるいは少し上回る程度の太陽光パネルを設置するのが一般的でした。500kWのパワコンに500kWの太陽光パネルをつなぐといった具合です。一見、無理のない自然な組合せのようですが、実は、これではパワコンの能力を十分に活かしきることはできませんでした。

たとえば500kWのパネルを設置しても、実際に500kWフルに発電することは、晴れた昼でもなかなかできません。朝夕の時間帯や、天気の悪い日は言うまでもないでしょう。500kWのパネルに500kWのパワコンでは、パワコンの能力の一部を、ほとんど眠らせているようなものだったのです。

もちろん、ただやみくもにパネルの枚数を増やせば良いというわけではありません。そこには、年間を通じて発電量を増やし、収益率の最大化を可能にする理想のパネル枚数というものがあるはずです。アドバンスでは、発電量、初期費用およびシステムの耐久性など全体のバランスを考慮して、最適なパネル積載数を導きだしました。

下の表1は、そのシミュレーションの一部です。パネル合計出力/パワコン合計出力を積載率といいますが、この積載率が140〜160%のときに、増加する発電量と費用対効果のバランスが良いことがわかりました。アドバンスでは、これをさらに突き詰め、積載率158%という最適積載方式を確立しました。

パワコン出力を超えてパネルが発電したときには、その超過分の電力はピークカットされますが、その比率(ロス率)は年間5%程度にすぎません。アドバンスの最適積載方式では、年間を通じて全体的な発電量の底上げ効果が期待できますから、このロス率があっても収益率は大きく向上するのです(表2)。

FIT価格が下がってもさらなる高収益率を実現

最適積載方式を確立できた背景には、設備機器の大幅な見直しがあります。特にパワコンの選定には、気を使いました。実績ある海外メーカーの最新機器を見比べ、定格出力より潜在能力の高い、余裕をもって設計されているパワコンを選びました。ファーウェイ製の33・3kWパワコンです。

このパワコンは、これまで採用していたものに比べて、変換効率も大幅にアップしています。従来のパワコンは変換効率94%でしたが、ファーウェイ製33・3kWパワコンの変換効率は98・8%です。この変換効率の向上により年間発電量は4%以上アップしますから、これだけでもピークカットによるロスはほとんど吸収されてしまいます。

積載率を上げると、パワコンの寿命が短くなるのではと懸念される方もいらっしゃるかと思いますが、その心配もありません。日本ではまだこれからの最適積載方式ですが、じつは海外では一般的であり、それを前提にしたパワコンが早くから開発されてきたのです。アドバンスでは、世界各国の最新機種を精査し、つねに最適なパワコンの選定に努めています。

最適積載にともなって、パネルについても、従来の270Wタイプから300Wタイプに切り替えました。すべての設備機器を同時に見直したことにより、仕入価格の低減をも実現しています。ポイントは設備機器だけではありません。同じ発電量に対してパワコンを小規模化できますから、工事費も安くなります。高出力パネルと組み合せることで土地の利用効率が上がり、投資回収率も高まります。これらのシナジー効果により、アドバンスの発電事業は、FIT価格が下がってもビクともしない高い収益率を実現しているのです。

最終の実証実験においても、その数値はほぼシミュレーション通りでした。1月末連系以降の案件は、すべてがこの最適積載方式となります。ご期待ください!

小山
今回の報告者
株式会社アドバンス
営業課長 小山