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開発現場からとっておきの話 Vol.8 テーマ 番外編 太陽光発電所×発電予測 ―アドバンス安全率について―

(左)北軽井沢、(右)染谷。2016年1月の同じ日に撮影した画像です。ご覧のとおり、北軽井沢は積雪が深く、発電がほとんどできない状況になっております。

(左)北軽井沢、(右)染谷
2016年1月の同じ日に撮影した画像です。ご覧のとおり、北軽井沢は積雪が深く、発電がほとんどできない状況になっております。

リスクを厳しく見積もって堅実な運用を行います

今回は、積雪の多い地域の太陽光発電所において、当社独自の発電ロス率である「アドバンス安全率」を使った売電収入の事前シミュレーション値と、実際の数値との違いについての検証結果を、非積雪地との比較を交えつつ報告します。

検証の対象とした積雪地の物件は、群馬県吾妻郡長野原町の「ソーラーオーナーズ群馬・北軽井沢」、非積雪地については、茨城県石岡市染谷の「ソーラーオーナーズ茨城・染谷」としました。

この2物件を選んだ理由は、双方とも昨年3月頃に稼働を開始したこと、太陽光パネルも同じ出力255Wのものを192枚設置していること、傾斜角も同じく20度で設定していること、アレイの高さも一番下まで1200mmであることなど、条件が似ており比較しやすいためです。アドバンスは地区的なリスク分散を推奨していますが、同じ時期に売り出したことから両方のオーナーとなっているお客様も結構おられることも、2物件を対象として選んだ理由です。

北軽井沢の降雪状況ですが、昨年12月はさほど降らなかったものの、年が明けた今年1月になると大量の積雪が見られました。私どもも、北軽井沢に雪が降るたびに、カメラの映像やモニタリングの数字を見ては、やきもきしていました。晴れた日にはパネルから雪が落ちますが、翌日に降雪があるとまた雪が降り積もり、発電量が落ちてしまいます。積雪シーズンは、どうしてもこうした状況が続くのです。

毎月の発電量および売電収入について、アドバンスでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が算出した平均日射量と各月の日数、温度ロス、変換ロス、そしてアドバンス安全率を用いて算出しています。

積雪地の場合、11月から翌年3月にかけての冬期は必ずどこかの月で雪の影響により発電量が落ちてしまいます。NEDOの数値には降雪は考慮されているものの、降り積もった雪が溶けずに翌日も発電量が低下しまうケースまでは考慮されていません。しかし、アドバンス安全率は積雪による影響まで予測して算出しています。

の結果、年間売電収入の事前シミュレーション値は、NEDOが算出した平均日射量では条件の良い北軽井沢が約194万円、染谷が約202万円となり、北軽井沢は染谷より低い予想となりました。予測される利回りが下がったことを踏まえ、北軽井沢の物件は販売価格を100万円安くすることとしました。

予測した値を大きく超え北軽井沢が染谷以上に発電

それでは、実際のデータはどうだったのでしょうか。上の表の通り、北軽井沢30区画、染谷40区画の平均値を出して比較したところ、2015年4月から2016年3月までの累計売電収入は、染谷・北軽井沢のいずれもシミュレーション値を大きく超えました。特に、北軽井沢のお客様には予想外の結果として喜んでいただくことができました。

アドバンス安全率の考え方には、『見えないリスクに関しては多めに安全率を取る』という当社の姿勢が象徴的に表れています。不透明なリスクを大きめに見積もることで、万が一の場合に備えることができますし、実際の売電量がシミュレーションで予想した数値を上回った場合は、オーナーの皆様にも喜んでいただけます。こうした姿勢は、商品設計や経営の考え方などすべてに通じるものです。

今回は、北軽井沢でシミュレーションの予想を大幅に上回りましたが、それですべて良しとするのではなく、さらなる改善も行っております。北軽井沢では、太陽光パネルに積もった雪が晴天時に溶けて落ちる際、前方に設置してあるフェンスに引っ掛かって落ちきれず、次の降雪時にパネルの下の方で雪が二重に積もってしまう、ということがありました。これについては、雪が落ちる際に引っ掛からなくする対策をすでに講じています。

アドバンスは、販売し終えた時点ですべて完成とは思っておりません。場所ごとに、雪や雨の降り方、雑草の生え方、水の流れ方は異なりますので、販売後でもそれらの状況に応じて改善改良を行うのがモットーです。今後も、皆様の期待に応えられるよう努めてまいります。

染谷・北軽井沢の月次発電量比較(48.96kW)

伊藤
今回の報告者
株式会社アドバンス
管理部部長 伊藤